以前にもユダヤ人の考え方を少しお話ししましたが、お金や投資について、やはりユダヤ人から学ぶべきことはたくさんあります。
数年前ユダヤ人実業家にお会いする機会がありました。
その時、こう質問されました。
「あなたはお金持ちになりたいですか?」
もちろんYESと答えました。
続けて、「あなたが資産だと思うものはなんですか?」と聞かれました。
あなたも一緒に考えてみてください。
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いくつか思いつきましたか?
私は「現金・預金、株券、不動産など、、、」と答えました。
すると、私たちユダヤ人はそれらを資産だと捉えていない、と言われました。
「え〜っ???」
世の中のほとんどの人は私と同じようなことを考えると思うんだけどなぁ〜。。。
すると、彼は言いました。
ユダヤ人の考える資産とは「持ち運びができて、即現金化できるもの」だと。
そう言われても、正直私は何のことを言っているのかピンときませんでした。
これはユダヤ人の長い歴史に大きく関わっていました。
ユダヤ人は旧約聖書の時代から長きにわたって迫害され続けてきました。
ようやく安住の地を見つけたとしても、突然その地を追い払われ、住むところも職業も奪われてしまいます。
そういった長い歴史の中で、新しい土地に行ってもすぐに生活ができて商売ができるようにするには、持ち運びができてすぐに現金に変えられるものが必要なのです。
ですので、例えば不動産を持っていても、その家を奪われたり追い出されたりしたら、なんの意味もありません。
通貨をたくさん蓄えていたとしても、当時は為替などが発達していないので、異なる国では使うことができません。
そこで、彼らが目をつけたのが貴金属や宝石です。
これなら持ち運びができるし、すぐに現金化することもできます。
貴金属や宝石の価値は万国共通ですからね。
こういった経緯もあり、ユダヤ人の女性は宝石を身に付け、男性は高価な腕時計をするようになったそうです。
この話を聞いて、私の中での資産価値という概念が大きく変わりました。
現金ばかり蓄えても、日本経済が破綻したらただの紙屑ですし、不動産を持ったとしても災害大国日本ではいつその物件が壊れてなくなるかわかりません。
本当に価値のあるものはなんだろうと考え、私の中では「どこにいっても半永久的に交換が可能なもの」という結論に至りました。
もちろんこれは私の考え方なので、何が正解で不正解なのかということでもありません。
通貨だって不動産だってちゃんとした資産です。
ですので、自分の持つ資産を、何にどれくらい分けてバランスよく所有しておくかが重要なのです。
これは分散投資の考え方や「ポートフォリオ」という重要な考え方にもつながります。
一度あなたも自分なりに資産とはなんなのかを考えて、その基準にそって世の中を見渡すとものの価値の本質が見えてくるかもしれません。
「ポートフォリオ」についてはいずれお話ししますね